昭和からの贈りもの 第2章 大正時代

 2-30.大正・昭和の外套 とんび   ・ 


前頁でも祖父が着ていますが、伯父が着ていたという【とんび】があります。

引越しの際に
「もう着る機会もないだろうから・・・」
と処分しかかったのですが、何かの資料にもなるかも・・・と思って処分はせずにしまっていたものです。

【とんび】とは【二重まわし】、または【インバネスコート】とも言われていますが、元々スコットランドのインバネス地方が発祥と言われ、日本には明治中頃に伝わったと言われております。

右下の写真を見ても判りますように、袖なしの外套の周りにケープ状のマントが付属したようなスタイルが【とんび】の特徴です。

この袖の部分が広いことから、和装の袖口の動きやすさとぴったり合い、大正・昭和と多くの人たちが愛用することになります。

古い写真の中にも【とんび】を着た様子が随分とありましたが、昭和中頃からの着物文化の衰退と共に、【とんび】も姿を消してしまいます。

ただ、最近になって、《和装にも洋装にも合う》という事から、少しずつ扱う店舗も出てきたようです。

普段から着物を着る事が多い伯父らしく、【とんび】は三着。
そして着物用の【角袖】は二着残っていました。

当時はもちろん三越などでも扱っていましたが、この【とんび】や【角袖】は神田今川小路の[TANAKAYA]
であつらえたようです。

伯父着用のとんび

←BACK ・ NEXT→

大正時代の出来事(元年-3年4年-8年9年-11年12年-15年

昭和からの贈りものTOPへ

お星さまの贈りものTOPへ