4-3.昭和6年・狆・言問通り   ・ 


昭和6年夏 狆

珍しく犬の写真が出てきましたが、何と自転車の上に上手に乗っています。

真っ直ぐに伸びたハンドルや車体が時代を感じさせてくれますが、大正時代末から昭和初期にかけて急速に自転車が普及していった時代で、昭和5年頃には自転車普及台数が500万台を突破しました。
それでも当時の自転車は高嶺の花といった感じで、カレーやラーメンが十銭で、銀行員の初任給が\70だった昭和4年〜7年頃の自転車の価格は、50円〜200円もしたそうです。
何と今の貨幣価値に換算すると、250,000円〜になりますが、この頃は自転車に税金も掛けられていたそうです。
もっとも、まだまだ自家用自動車が普及していなかった時代ですので、市電や電車に次ぐ交通手段だったのでしょうね。

写っているのは狆ですが、日本原産の種で、江戸時代に江戸城でも飼われていたという記録もあります。
この狆の写真がもう2枚ありますが、写っているのは前頁の言問通りでの友人のようで、格好も同じですので、前頁の写真と同じ日に撮影されたようです。
当時は現代ほど犬を飼っているお宅は多くはなかったようですが、昔から狆は賢く人に懐くと言われているように、写真をみても賢さが伝わってきます。


道路反対側の正面の民家の玄関扉は、伯父の家と似たような細かい格子の扉です。
谷中や桜木界隈にわずかながら残っている古民家には、こうした造りの家が見受けられますが、現在こうした家屋は少なくなっています。
平成19年に訪ねた際、この場所には古い門を残した家屋が建っていたのですが、平成20年に訪ねた際は、門もなくなり綺麗なビルに変わっていました。


古い門を残した家屋/平成19年6月

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