4-44.昭和8年10月・修学旅行 富士山   ・ 



民家の前などで撮った写真ですが、背景に富士山が写っています。

場所は不明ですが、富士五湖巡りの際に富士山をバックに撮影したようです。
この頃は高い建物もなく、何処から見ても富士山が見え、綺麗な景色だったと思われます。

人物の後ろには立派な石垣が見えます。
富士山の溶岩は古くから石垣として利用されていましたので、富士山麓の村々も利用していた事が判ります。

また左側に写る民家は茅葺ではなく瓦屋根のようです。
更に2階建てのようにも見えますので、この地区の豪農だったのでしょうか?

ところで右の2枚を見ていたら、下の道や石垣、そして後ろの木が同じようです。
としますと、富士山が綺麗だったので、同じ場所で同級生たちを撮ったのでしょう。

伯父に聞きましても、東京でも各所で富士山は見えたものの、間近で見る機会がそうはなく、やはり富士山は憧れの山だったそうです。
修学旅行の参加者には、初めて富士山を目の前にする生徒さんもたくさんいたそうで、とても盛り上がった修学旅行だったそうです。

この時の修学旅行では、富士五湖を全部周り、他にも浅間神社にも行ったようですが、宿では茶話会をしたり将棋などで楽しんだようです。
下の写真には、広い未舗装の山道が写り、その向こうに茅葺屋根の民家が建ち並んでいます。
さらに遠くには富士山の稜線が見えます。
道路の端には側溝もみえますので、幹線道路なのでしょうか?
雲が道路の下に見えますので、何処かの峠のようですが、富士五湖から箱根方面へ向かう籠坂峠でしょうか?



修学旅行 富士近辺の峠道/
昭和8年

右に写る小屋の屋根には置き石があって、まさに小屋らしい小屋ですが、それにしても見事な砂利道ですね。
童謡の「田舎のバス」は昭和29年の歌ですので、この時には発表されていませんが、こうした砂利道を走るバスだったからこそ、ああいった歌ができたのだと、改めて思えるような1枚です。


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