4-23.昭和7年・小田原 ちん里う   ・ 


昭和7年の「ちんりう」店内

上の写真を見た伯父が、直ぐに思い出して、
「これは梅の【ちんりゅう】じゃないかな〜」
と申していました。

【ちんりゅう】としますと、明治4年創業の梅の専門店の事で、現在【ちん里う】として小田原駅前に本店があります。
写真の店内には、お土産物らきしものが山積みになっていますが、包装用の紐を天井から吊るす様子は、今では見なくなった昔の光景ですね。

小田原に参りました際に先ほどの【美濃政】の女将さんも、直ぐに『これはうちではなく、【ちんりゅう】さんの店先ですね』とおっしゃっていましたが、伯父の記憶力には驚きです。


現在の【ちん里う】店頭

実際に【ちん里う】さんにも伺い、現在の社長さんと色々お話をさせて頂きましたところ、写真の昭和7年には産まれていらっしゃらないとの事ではっきりとは判らないそうでしたが、
『店頭に積まれているものは、きっと【わさび漬け】でしょう!夏のようなので、かまぼこは扱っていない筈ですが、【わさび漬け】はこうして箱に入れて包装をして販売していましたから・・・』
との事でした。

この【ちん里う】さんは大正時代は駅前には2軒あったそうですが、関東大震災の際に、当時モダンな建物だった一軒は全壊したそうで、当時の写真も見せて頂きました。
また店内には梅を漬けた古い大樽や木彫りの椅子やテーブル。
そして少し前まで実際に使っていたという大正時代の立派なレジ等が展示してあり、【ちん里う】さんの規模が伺えます。


店内にある木をくり貫いた椅子と大樽

少し前まで現役だったという古いレジ
                                                          

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